MIMO Full-duplexに適したアンテナ配置－試作アンテナを用いた干渉抑圧効果の実験的評価

摘要

本報告では，中継局の送受信アンテナを離して配置することによりFull Duplex通信を可能とするSpace Division Duplex（SDD）中継方式の実現に向け，Multiple-Input Multiple-Output（MIMO）アンテナの配置と固有ビームフォーミングを用いた干渉抑圧法について，解析的·実験的評価を行った結果について述べる．提案法は，中継局のアンテナ配置を工夫することで干渉チャネル行列のランクを縮退させ，雑音空間に対応するウェイトによって送受信機を励振することで，単一の励振自由度の消費で大幅な干渉抑圧を可能とする．上記のシナリオを達成させるアンテナ配置として，素子間隔の等しい送受信リニアアレーアンテナのエンドファイア方向が一致するようなエンドファイア配置を提案する．Line-of-Sight（LOS）環境において本配置を用いると，干渉チャネル行列においてランクの縮退が発生する．数値解析及び実験結果により，提案法によって最大71.6dBの自己干渉抑圧を達成できることを明らかとする．