小児脳性麻痺の脊柱側弯変形に対する動的脊柱装具(Dynamic Spinal Brace)の矯正効果

摘要

【目的】独自に開発した動的脊柱装具(Dynamic Spinal Brace ：以下，DSB)を用いて脳性 麻痺の脊柱側弯変形に対する治療を行つたので報告する.【方法】DSB治療を行った18歳以下の脳 性麻痺患者143人を対象とした.【結果】調査時平均年齢13.2歲，平均座位Cobb角は装具非装着 57.6°,装具装着41.6°であった.平均trunk shiftは装具非装着41.7 mm,装具装着20.6 mmであつ た.装具非装着Cobb角が100°以上の高度側弯では矯正角度は低下傾向を認めるが，trunk shぱtの 改善距離は大きかつた.頂推での比較では，頂推が第10胸椎以遠でCobb角の矯正角度，trunk shift改善距離が有意に大きかった.【結論】DSBは，高度な側弯ではCobb角の矯正が低下するが， trunk shiftの改善は大きかった.また，DSBは，頂椎が第10胸椎以遠の側弯変形で矯正効果が大 きかった.