粘膜組織の恒常性維持に重要なIL-22産生性NKp46~＋自然免疫細胞

摘要

粘膜面における自然免疫および担当細胞の重要性は知られていたものの，今まで特化した研究は報告されておらず，その機能?分化に関して不明な点が多くあった．近年，筆者らのグループと同時にいくつかのグループが，マウスとヒト粘膜組織に非常にュニークな細胞が存在し，パクテリア感染などから粘膜上皮を防御していることを報告した．この細胞はIL-22を産生しNK細胞様表現型を示していたが細胞障害活性を持たず．役割?機能においても既存のNK細胞とは異なる新規自然免疫細胞であることがわかったが，その研究は始まったばかりである．この細胞の詳細な機能および役割を解明することで，感染性大腸炎や炎症性腸疾患または癌などのヒト粘膜免疫疾患の発症メカ二ズムおよび原因解明につながり，将来的にこの細胞を制御することが可能になれは，様々な粘膜系疾患の治療への第一歩になると期待される．