電場を利用した乾燥技術

摘要

1．はじめに乾燥工程は，エネルギーを大量に消費する工程であり，その効率の改善が望まれている.乾燥の効率化に係わる興味深い現象に，「電場を付与することにより水の蒸発が促進される」という現象がある.この現象は，浅川勇吉博士が発見し，これが1976年Natureに掲載され，同年BBCが浅川効果として紹介したことから広く知られるようになった.国内では，1984年に科学雑誌に掲載され広く紹介された3?5).電場の付与には，電気の電圧のみが必要で電流は必要がない（実際には微少な漏れ電流が発生する）ため，省エネルギー技術として紹介された.また，実際の蒸発量に対応した蒸発潜熱と電場付与のために消費したエネルギーとのギャップにより特異的な現象とされた.