1.はじめに製材廃材,建設発生木材,林地残材などの木質系バイオマスは,食料生産と競合しないバイオマス資源として注目を集めており,これらを原料として輸送用液体燃料を製造するためのさまざまな技術開発が行われてきた.木質系バイオマスを原料として製造される液体燃料としては,バイオエタノール, Biomass to Liquid(BTL),熱分解油の3つが主なものである.このほかにも研究開発が行われているが,ここでは割愛する.バイオエタノールはそのままガソリンと混合して使われる場合,エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)に変換されたのちガソリンと混合して使われる場合,そのままデュアルフユーエルエンジンの燃料として使われる場合がある.BTLは後に述べるように触媒と反応条件によって軽油,ジェット燃料(灯油),ガソリンなどさまざまな液体燃料の製造が可能である.熱分解油は重油代替燃料として用いられるほか,水素化分解?精製を経てジェット燃料に変換することも可能である.
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