「京都西山地域の上部ベルム系高槻層，中部三畳系島本層及び三畳紀堆積岩複合体」論文の三畳系コンプレックスについて

摘要

上記表題論文（菅森2006：以下菅森論文とする）は，京都西山地域に分布する中·古生界について地質調査を実施し，チャート，酸性凝灰岩および貫岩から産出した放散虫化石を検討した結果に基づいて地質体区分や地質構造を論じている．この地域は，宮地ほか（2005）による5万分の1地質図幅「京都西南部」に含まれており，同図幅の調査及び研究報告（以下図幅と略す場合がある）において中·古生界を分担した筆者らの見解と菅森論文では，地質体の境界の認定をめぐっていぐつかの問題点が認められることから，ここに改めて筆者らの見解を述べ，宮地ほか（2005）における中·古生界に関する内容を補完しておきたい．