1-b)緊急被ばく医療施設における設備·機器等の維持管理状況

摘要

万がーの原子力災害や放射線事故に備え、被ばく·汚染患者の治療を行う緊急被ばく医療体制として、我が国では、初期被ばく医療機関·二次被ばく医療機関·三次被ばく医療機関の3段階による医療体制が構築されています。まず患者は、初期被ばく医療機関へと搬送されます。初期被ばく医療機関とは、主に原子力施設に近い医療機関として指定を受けた病院などであり、救命処置や初期医療．簡易除染などが行われます。次に、初期被ばく医療機関で対応困難な患者は二次被ばく医療機関へと搬送されます。二次被ばく医療機関とは、被ばく医療機関として指定を受けた地域の基幹病院で、より高度な医療や除染を行い高線量被ばくや汚染を伴う合併症患者の治療にあたります。さらに対応困難な患者は、三次被ばく医療機関へと搬送されます。三次被ばく医療機関とは、より専門的な診療や除染、線量評価を行う機関であり、初期·二次被ばく医療機関へ支援する役割も担っています。ただし、事故の状況や患者の容態によっては、二次被ばく医療機関あるいは三次被ばく医療機関へ直接、搬送される場合もあります。