ベ一夕崩壊を学び始めし頃（告別式での弔辞）

摘要

中村誠太郎先生の御逝去を悼み、謹みてお悔やみ申し上げます。 中村先生は学問上の御業績とともに、若手研究者の生活支援と研究指導、ならびに一般市民への科学普及について特筆すべき功績を残されました。 科学の普及に関しては数多くの教科書、参考書、解説書を書いておられます。中村先生は、我が国の素粒子理論、原子核理論の研究者の自主的組織である素粒子論グノレープの発足に貢献し、1948年に機関誌「素粒子論研究」を創刊されました。 1949年には、読売新聞社の協力を得て、若手研究者の支援事業として「読売·湯川奨学基金」を設けられました。 同じ趣旨で1972年には「'素粒子奨学会」を設立し、出版業や産業界から募金をつのり、33年間で150人の奨学生を育成されました。 これらの奨学生には、世界の物理学に大きな員献をした人材が輩出しています。 これらの功績によって、中村先生は2001年3月、第1回の素粒子メダル功労賞を受賞されました。