遺伝的アルゴリズムの制御システム設計への応用

摘要

遺伝的アルゴリズム（Genetic Algorithm：以下GAと略記）は生物進化の原理に着想を得たアルゴリズムであり，解探索において勾配情報を必要しないことからその適用範囲は広く,たとえば，巡回セールスマン問題,ナップサック問題,生産工程計画などの組み合わせ最適化問題やパラメータ最適化問題に適用されている。 また,GAの制御分野への応用としては，PIDコントローラの調整,バックプロパデーションアルゴリズムに代わるニューラルネットワークの重み調整やファジィ制御におけるメンバシップ関数,制御ルールの生成例が報告されている。しかし，これらの例の多くは，GAを用いた最適解のオフライン探索である。 一般に，GAは交叉や突然変異に象徴されるように確率的解探索法の1つであるので,オンライン探索には不向きであり,オンラインでの適用例は限られている。