加熱脱脂および溶媒脱脂を考慮したMIM用バインダの検討

摘要

MIMプロセスにおける脱脂工程は，工業的には加熱揮散にょる脱脂が主に採用され、ているが，処理時間が長いことからMIMプロセスの短縮化とともに，生産コストの低下が望まれており，その改善策として溶媒抽出など新しい脱バインダ法の援薬や，バインダシステムの検討がなされている.本研究では，種々のバインダ樹脂の熱分解温度および溶媒脱脂による溶媒への溶解性を調べることにより，加熱脱脂および溶媒脱脂を考慮したMIM用バインダの検討を行った．まず，加熱脱脂に関しては，急激な熱分解に伴う繹散ガスによる製品の膨れや割れなどを回避するため，熱分解温度が異なる3種類の樹脂を組み合わせることを考えた．溶媒脱脂に関しては，その後の加熱脱脂工程を短縮するため，あらかじめバインダの70％程度を嫡出できるような樹脂となる組み合わせを考えた．ついで，それらを考慮したバインダを種々の金属粉未に適用し，焼結体の密度や機械的特性を調べることで考案したバインダの有効性を評価した。