《特集：省エネルギーのための計測·制御》：省エネ支援システムInfoEnergy（インフォエナジー）＜段階投資可能でエネルギー管理から省エネ制御まで実現する分散型EMS＞

摘要

改正省エネ法への対応策として、企業や団体にとってエネルギー管理や省エネ対策が重い義務となってきている。省エネルギーは、即効力のある経費削減施策としても着目されつつあり、積極的な投資が行なわれるようになってきている。 ところが、省エネルギー対策の代名詞のようになっているBEMS（ベムス：ビル＆エネルギーマネジメントシステム）導入は、一般的に一括導入が前提となっているため、多額な初期投資が必要である。 またBEMSを導入しても、本当に省エネ効果を生み出すには、複雑なソフトの機能を熟知し、しかも設備の詳しい運用状況を踏まえた解析が必要になる。 またBEMSを長年にわたって稼動させるためには、PCシステムの維持管理（例：PCやOSの陳腐化）に大きな運用管理コストがかかってしまうなどの問題があった。 また安価に導入可能な小規模の電力モニタリングシステムの場合には、電力以外はモニタリングできないなど、拡張性に乏しく、やはり運用開始後数年で凍結状態になる例が多かった。 このような背景から見えてくるのは、簡単安価にスタートし、段階的、継続的に成長可能で、かつユーザー自身でも簡単に維持管理できる、コンパクトなEMS（エネルギーマネジメントシステム）の必要性である。横河電機では、このようなニーズを踏まえて、「小規模から大規模まで段階的に継続投資可能で省エネ制御まで実現するコンパクトなEMS "InfoEnergy"」を開発した。 InfoEnergyは2004年4月の発売以来、多くのお客様で活用頂いている。 本稿では、具体的な活用事例を含めてInfoEnergyの概要を解説する。