東南アジア鉄鋼業の最近の動向（2）－韓国·台湾

摘要

韓国の実質GDP成長率は2007年には前年比4.9％増と堅調であったが，2008年にはリーマン·ショックに伴い同0.3％増に低下し，2009年にはさらに同0.3％増にまで落ち込hだ．2010年は民間消費が底堅さを保ち，輸出や設備投資の好調も手伝って，前年比6.2％増と2002年（同7.2％増）以来の高成長となった．四半期別に伸び率をみると，1～3月期（前年同期比8.5％増），4～6月期（同7.5％増）と堅調に推移し，7～9月期（同4.4％増）にやや減速したが，10～12月期には同4.7％増に持ち直している．成長の牽引力となったのは輸出で，前年比14.5％増と高い伸びを示し，品目別では電気製品や自動車，化学製品，鉄鋼などが急回復する一方，通信·音響機器などは減少した．また，仕向け先別では，中国向けが急増したほか，ASEANや日本向けも高い伸びを記録するなど，アジア向けを中心に好調に推移し，米国向けの復調も顕著であったが，EU 向けや中東向けは伸び悩hだ．このほか，設備投資（同25.0％増）及び民間消費（同4.1％増）もそれぞれ堅調に推移したが，建設投資に関しては，不動産市況の低迷を反映し，前年に比べ1.4％減少した．