東南アジア鉄鋼業の最近の動向（1）－中国

摘要

至近3カ年（2009年，2010年，2011年）における主要国·地域別の生産量とその構成比をみてみると（表1），東南アジア諸国の粗鋼生産量の世界に占める割合が65％程度に達していることに驚かされる．特に，中国が45％前後と過半数に達しようとしている．ちなみに，2005年の構成と対比してみると，東南アジアの比率は52％となっており，この5年間でいかに比重が高まったかが分かる．この年の中国の比率は31％で，中国のポイント増加がほとhどアジアのシェア増加に寄与している．中国以外の国ではインドは4％と1ポイント程度上昇し，韓国，台湾はほぼ同水準と健闘している．唯一鉄鋼先進国である日本が3ポイント程度シェアを落としている．2005年には先進国のウエイトが高く，EU27が17％と5年間で5ポイント下がり，北米が8％と3ポイント程度5年間で地歩を下げた．本稿では「東南アジア鉄鋼業の最近の動向」と題して，東南アジアの主要国の鉄鋼業に関して2010年から2011年にかけての動向を数回にわたって記述したいと思う．