化学工場現場における省エネのチェックポイント

摘要

現在われわれ人類に与えられている最大の試練は，地球温暖化問題であり，このままの流れでいけば，人類の生存に関わる問題であることは周知である。そして，地球温暖化の主たる原因は，IPCC第四次報告書にて結論付けられている通り，人間の生活行動からくるものであり，人間活動に必要なエネルギー消費に基づく温室効果ガスの排出によるものであることも既知である。わが国の2007年度の温暖化ガスの排出量は速報値で13億7,100万トンであり，そのほとhどがエネルギー起源のCO_2によるものである。そして，この温暖化ガスの排出量については，国際的公約としての京都議定書の順守値-6％（1990年比）に減らすどころか2007年度実績で前年比2.4％，基準年比9.0％増加している。わが国の最終エネルギー消費は，わが国は，過去においても2度の石油危機や近年の不況時を除いて，ほぼ一貫して増加している。図1は1990年からの経緯であるがわが国のGDPはこの間1.3倍になっているが，部門別には，産業部門はほぼ横ばい，運輸部門は1.2倍，民生部門は1.4倍であり，いずれにしても対策強化が不可欠である。エネルギー消費割合は産業部門が約半分を占めるし，民生部門でも温室効果ガスを排出する機器·装置は産業界で生産されるものであり，総力をあげての対応が不可欠である。