化学業界ナンバーワン戦略－国内化学産業の最新動向と企業戦略

摘要

最近の化学産業の動向（工業統計調査）を，経済の動き（国民経済計算統計）と併せて，表1にまとめてみた。 近年の日本経済（国内総支出：名目GDP：約500兆円）は，2003年度に伸び率がプラスに転じ，ここ数年間の後退傾向から脱してきているが，その変動幅は製造業（製造品出荷額等：約270兆円強）ではより拡大して影響を受けている。 こうした中，化学工業（約23兆円強）の占める構成比は約8％強と若干増大傾向にあり，輸送用機械器具製造業，一般機械器具製造業に次いで，第3位の重要な産業となっている。 生産活動が生み出す付加価値額，必要とする有形固定資産取得額も，各々10％を超えた大きな構成比を占める。 ただし事業所数，従業員数の構成比は，きわめて小さくかつ減少傾向で，資本集約型であることは明白である。