蒸気流量計の原理と計測のポイント：差圧式蒸気流量計STEAMcube

摘要

工場で使用される熱源として蒸気がある。蒸気（飽和）は大きな蒸発潜熱の下，その圧力を一定にすると温度を一定に保てるという性質を持つ。 この性質を利用し蒸気機関の発達した産業革命から今日まで有効に各種産業で使用されている。 今後，省エネルギー活動が進むに連れ，もう一度，蒸気の素晴らしさが見直される日が来ると信じている。 われわれは“チーム6％”の下，早急に省エネルギー活動を推し進めていく必要がある。 流量計はその使用そのものが省エネルギー効果は生まないが，各ユーザーが現在使用している蒸気の量を正確に測るという点で省エネルギー活動の原点を与えるものであると考える。そのため，より正確に蒸気使用量を測定することは重要なことであり，より良い流量計を選定する必要がある。 蒸気を“計る”ことについて本稿では特に流量測定をテーマとして開発した蒸気流量計「STEAMcube（スチームキューブ）」（写真－1，表－1参照）について紹介するが，実はなかなか気体と液体の相変化の境界上に位置する流体を測定することは容易なことではない。 そのため，ここに用いるテクノロジのすべてを詳述することは誌面の都合上できないが，本誌では各社工夫を凝らした蒸気用流量計の紹介がなきれているので，それらと比較をしながら読み進めていただけると，より深い理解が得られるものと思われる。