10kW級DCモーター搭載全密閉形スクロール圧縮機（HEB形）

摘要

空調機器では地球温暖化対策などから省エネルギー化が強く求められ，システム側での効率向上に加えて圧縮機のDCブラシレスモータ搭載化が進み，飛躍的な高効率化が進められてきた。 本製品（HEB形，写真-1，表-1参照）は，全密閉形冷媒圧縮機でのDCモータ搭載容量を従来機上限3.75kW扱から10kWr級に拡大し，あわせてスクロール圧縮機の圧縮要素部の機構開発を加えたことにより，空調用4.5kW（6HP相当）の押しのけ量をもつ圧縮機で1200～7200rpmという広範囲の常闇回転数を高効率，高信頼性のもとに実現させ，最大35.5kW（13HP）までのビル用マルチエアコンに求められる広い運転領域を1台の圧縮機で高効率のもとで対応可能としている。この結果，ビル用マルチエアコン22.4kW（8HP相当）超機種で従来機比約20％の高効率化と，搭載圧縮機台数最小化による大幅な省資源を両立させた。 また，本機をR410A冷媒に対応させたHNB形も最大容量を45.0kW（16HP）ビル用マルチエアコンまで拡大させて，2003年12月より商品化している。