低温窒化プロセスを施したチタン合金の超音波疲労特性評価

摘要

チタン合金は比強度や耐食性に優れている反面，耐摩耗性に乏しいため，工業分野では窒化処理を施した後に使用されることが多い。しかし，汎用の処理温度（約900deg C）で窒化を施した場合，結晶粒が粗大化するためチタンの疲労強度ほ低下する。このような背景から，これまで著者らは，低温域で行う窒化処理の開発に着手し，工業用純チタンの微視組織や4点曲げ疲労特性に及ぼす「低温窒化プロセス」の影響について検討を加えてきた。本報では，低温窒化プロセスを施したTi－6Al－4V合金に対して超音波疲労試験を実施し，107回以上の超高サイクル域を含む疲労特性について検討を加えた。