時間分解蛍光分光法によるアクチノイドの溶液化学研究における最近の進展

摘要

これまでT礼汚によるアクチノイド研究の対象は、Cm（III）、Am（III）、U（VI）などの3価と6価のイオンに限られてきた。一方、4価及び5価イオンについては、ごく一部の錯体を除けば発光はないと考えられてきた。 しかし、結晶中におけるイオンの分光研究および5f電子エネルギーレベルの解析などから、溶液中において発光が観測される可能性のあるイオンは上記以外にも多く存在すると予測できる。 ここで報告したU（Ⅳ）の発光は一つの例である。 今後、波長可変レーザーのナノ秒からピコ·フェムト秒への短パルス化及び観測波長の近赤外領域への拡張などにより、T礼FSによる研究ほアクチノイド化学だけでなくランタノイド化学についてもさらに進展ずるものと予想される。