ペロヴスカイト型フッ化物CsCaF_3中の四回対称Gd~(3+)中心のEPR

摘要

三元化合物は、その構成元素の組み合わせが二元化合物と比べて飛躍的に増大するため、極めて多彩な物性を示す。ベロヴスカイト型構造は、対称性の高さや充填度の高さから、それらの三元化合物の基本的構造とも考えられ、これまでに磁性体、誘電体、伝導体（超伝導、超イオン伝導）等のメカニズムを探るため多くの研究がなされてきている。我々のグループでは、ベロヴスカイト型イオン結晶（フッ化物·塩化物）中における不純物磁性イオンの形成する磁性中心の構造·電子状態および形成機構を、主として電子常磁性共鳴（Electron Paramagnetic Resonance，以下EPRと略す）の実験手法を用いて調べてきた。