難治性帯状癌疹後神経痛の新しい治療と病態の研究くも膜下腔酢酸メチルプレドニゾロン投与を中心として（An Update of Pathophysiology and Treatment for Intractable Postherpetic Neuralgia-Intrathecal methylprednisolone acetate）

摘要

腰椎くも膜下腔への酢酸メチルプレドニゾロン（MPA）投与の治療効果と副作用を，罹病期間が1年以上の躯幹での難治性の帯状癌疹後神経痛（PHN）患者を対象として，2年間追跡調査した．治療後，疼痛とアロディニアの強度と範囲，および鎮痛薬の服用量が70％以上減少した．またくも膜下腔MPA投与患者では，治療後interleukin（IL）-8濃度が減少したが，この低下の程度はPHNの罹患期間および鎮痛効果と相関していた．この結果は，腰椎くも膜下腔へのMPA投与が難治性PHNの治療に極めて有効な治療であることを示している．髄液内のIL-8は脊髄の炎症の良い指標であるので，鎮痛機序の一つとして抗炎症作用が考えられる．