ERCPにおけるクリニカルパス

摘要

ERCPのクリニカルパスは標準化が難しく，導入医療施設は決して多くはない。DPC とクリニカルパスは本邦で独自の進化を遂げ我が国の医療事情に上手に適応されている背景の もとに，DPC導入病院においては医学的な標準化に先行してやや経営的見地から，DPC対応 型ERCPクリニカルパスとして導入されつつあると捉えられがちである。しかし標準化の難 しいERCPにこそパス導入の意義がある。ERCPにおけるクリニカルパス作成には，病院の 実力にあった適応基準を設定して入院期間の異なるパスを作成し，過去のERCP目的入院患 者で，在院日数，原価計算に対応，薬剤材料適正度，臨床評価が可能か，などの分析 を行う。診断ERCPは2泊3日から3泊4日，処置ERCPは3泊4日から4泊5日，で行う のがDPC対応ERCP対応パスとしては採算性が見合うと考えられた。電子カルテの導入が医 療の質と同時に経営指標を高められるか，DPC対応型パスに適合するのか，まだ解決されて いない。