SPECT画像における量子雑音の除去

摘要

放射性同位元素が壊変する時間間隔は互いに独立で指数分布に従うため、単位時間あたりに計測される光子の個数はポアソン分布に従う。簡単にいうと、単位時間に計測される光子数が常に同一の数とならず、ある揺らぎを持った数として観測されるということである。このようなポアソン分布に従う雑音は、その分散の値が期待値に等しいので多くのカウントを収集することができれば、相対的な雑音の量を小さくすることができる。し かし、SPECT等でデータ収集に用いられているコリメ一タは発生光子数の0.1%以下の光子しか通過させず、また、患者に投与する放射性医薬品の放射能も被ばくの観点からは大きくすることができないので、量子雑音の混入したデータから画像再構成を行わなくてはならなくなる。このような雑音を除去することを目的として、いくつかの方法が提案されてきた。それらは、実空間で処理するものと周波数空間で処理するものに大別することができる。