胃分化型SMl癌（垂直浸潤500um未満）の診断－500um以上と対比してひだ集中のある陥凹型早期胃癌における内視鏡診断（未分化型痛も検討に含めて）

摘要

集中敵襲を伴うSMl痛（粘膜筋坂下端から垂直浸潤500um未満）とSM2癌（垂直浸潤500um以上）とを比較すると，先太りならびに癒合所見はSM2痛に有意に多く，これらの所見が癌のsm浸潤（癒合はM痛では認められないことを以前報告済み），特にsm深層への浸潤に伴って出現する所見であることが示唆される．また，SM1癌とSM2癌の肉眼所見を比較すると，SM2痛において病変部の厚みが目立ち，この所見は送気量を減らしたときに特に強調される．これは病理組織学的には，痛が500umを超えてsm深層に浸潤すると，浸潤する腫瘍量や反応性に出現する線経組織量が増えるためと考えられ，病変部におけるsm層の厚みが2，000umを超える早期胃痛の約75％がSM2痛であった．したがって，超音波内視鏡（EUS）により病変部sm層の厚みを計測することで，間接的に痛のsm浸潤深度の鑑別が可能となると考えられる．