正常眼圧緑内障における視神経乳頭の眼圧レベルによる形態的差異

摘要

目的：眼圧差による緑内障性視野障害や乳頭形態の相違が指摘されている．今回，我々は正常眼圧緑内障（NTG）における，眼圧差による乳頭形態の相違の有無をHeidelberg Retina Tomograph（HRT）を用いて検討した．対象と方法：Humphrey視野のmean deviation（MD）が－10．00dB以上で，眼圧が常に14mmHg未満（低眼圧群）または最高眼圧が17～21mmHg（高眼圧群）のNTG患者を選択し，2群に分類した．HRTを施行し，両群の全体および各セクターのHRT主要乳頭パラメータの比較を行った．結果：低眼圧群19例19眼，高眼圧群19例19眼が選択された．HRTグロNパル解析のcup/disc area ratioで，セクター解析における鼻側のrim volumeで両群に有意差があった．結論：低眼圧群では鼻側により強い乳頭変化があり，NTGにおいても病態の違うタイプの存在が推定された．