適応基準外症例における在宅酸素療法をどう考えるか

摘要

わが国の全国調査によれば,Pao2が60 Torr以上で在宅酸素療法(HOT)が導入された症例は年々増加し,1995年には新規登録の35%を占めていた。 最近,このような適応基準外症例におけるHOTの早期導入が生命予後を改善しなかったとする報告が相次いでいる。今後,適応外でありながら強い呼吸困難,高度の睡眠時低酸素血症,運動時低酸素血症などを呈する症例に対するHOTの効果について,生活の質(QOL)向上の面からも検討していく必要がある。