噴門部胃粘膜下腫瘍に対する腹腔鏡下胃切除術の工夫

摘要

消化管に発生する粘膜下腫瘍（SubmucosalTumor，以下SMT）は免疫染色法の進歩により分類が明確となり，消化管間葉系腫瘍（GastrointestinalStromalTumor，以下GIST），筋原性腫瘍，神経原性腫瘍の判別が容易となった。 また分子生物学的検索により原因遺伝子が明らかとなり，GISTに対するグリペック?の効果が認められGISTの治療概念も大きく変わった。2004年にはアメリカのNationalComprehensive Cancer Network（以下NCCN）からGISTの治療ガイドラインが示され，胃SMTに対する治療方針は発見時の腫瘍径，潰瘍形成·出血症状の有無，腫瘍の発生部位などが手術適応の指標となっている。