骨粗鬆症患者における腰背部痛に対するrisedronateおよびcalcitoninの除痛効果の検討

摘要

骨粗鬆症患者において腰背部痛は椎体骨折のあるなしにかかわらず多く見られる自覚症状のひとつであり，日常生活行動（ADDの低下をきたすものである。 Risedronateは近年開発された第三世代bisphosphonateで骨量増加作用，骨折発生抑制作用は広く認められている薬剤である。 一方，calcitoninは骨吸収抑制作用と骨粗鬆症患者における腰背部痛に対する除痛効果が認められているが，骨折予防は明らかではない。 今回，我々は慢性腰背部痛を認める骨粗鬆症患者を，risedronate単独投与群,rise－dronate－calcitonin併用投与群，calcitonin単独投与群，active controlとして活性型ビタミンD投与群の4群に分類し，VAS （visual analogue scale）を用いて除痛効果についての検討を行った。 その結果， 4群全てに有意に除痛効果が認められた。 Active controlであるビタミンD投与群との比較ではrisedronate投与群では投与後1カ月からの痔痛改善が認められ，投与後4カ月ではrisedronate単独投与群，risedronate-calcitonin併用投与群，calcitonin単独投与群の3群で着意に除痛効果が認められた。 同時に骨密度および尿中NTxを測定しており，骨密度の増加はrisedronate単独投与群で有意差を認めた。 尿中NTxの低下はrisedronate単独投与群，risedronate－calcitonin併用投与群，活性型ビタミンD投与群で有意差を認めた。