浸潤性膀胱癌に対するMVAC化学療法感受性予測法によるオーダーメイド術前化学療法

摘要

局所浸潤性膀胱癌に対する治療法として，膀胱 全摘除術は最も確立した治療法であるが，その5 年生存率は約500/0にとどまるこれは診断時，既に画像上明らかでない微小転移が高率に存在する事が原因であると考えられている.'この微小転移に対する方策の一つが，膀腕全摘前に化学療法を行う術前補助化学療法である.現在までにこの術前化学療法の有用性に関するいくつかの大規模な無作為化比較研究が施行されてお り，それらのメタアナリシスの結果，Cisplatin を含む多剤補助化学療法を，膀胱全摘除術および放射線療法などの局所療法に先立つて行った場合，行わなかった場合と比較し死亡リスクが低下するとともに生存率の改善が得られることが判明している.