デキサメタゾン大量療法が有効であつたABO型主不適合造血幹細胞移植後後天性赤芽球癆

摘要

46歳男性。2007年8月inv(16) (p13.1q22)を有する急性骨髄単球性白血病発症。2009年6月human leukocyte antigen (HLA) 完全 適合 骨髄 バンク ドナーより, ドナ一A型,レシピエン卜?型のABO型主不適合同種 骨髄移植を施行した。Graft versus host disease (GVHD)予防はcyclosporin (CsA) +短期methotrexate (MTX)を使用した。好中球.血小板の生着後も赤芽球系の回復は得られず。移植後63日目の骨髄穿刺は赤芽 球癆の所見であつたが,原病はCBFP-MYH11キメラmRNA陰性の分子生物学的寛解を維持していた。ヒ卜パ ルポウィルスB19DNAは陰性であった。抗A抗体価IgM(1:64),抗A抗体価IgG(1:1024)と抗A抗体が残存 していた。CsA減量 中止を行ったが移植後6か月を超えても赤血球数?網状赤血球数の回復が得られず,造 血幹細胞移植後赤芽球癆として2009年8月rituximab投与,さらにドナーリンパ球輸注も行ったが無効であつ た。2010年4月よりdexamethasone (DEXA)大量療法(DEXA 40 mg/day,移植後day 657-660, day 757-760； DEXA 20 mg/day, day764-767, day 772-775)を施行した。DEXA大量療法後抗A抗体価は持 続的に低下,DEXA大量療法後7か月目にはhemoglobin (Hb) 13.4 g/d/まで回復,輸血依存からも脱却した。