造血幹細胞移植後のタク口リ厶ス起因性腎障害に対する タクロ厶ス徐放製剤の有用性

摘要

造血幹細胞移植後の移植片宿主病（GVHD)予防とし てタクロリムス（TAC)が用いられているが，腎障害が 高頻度に認められる。腎障害発症時にはTACの早期の 減量や休薬が必要であるが，GVHDの発症や再燃の危 険性があり慎重に行う必要がある。我々は，造血幹細胞 移植後，GVHD予防のプログラフ~R(PRG)を徐放製剤 のグラセプタ一R(GRC)に切り替えることで，TACに よる腎障害増悪を予防できた3例を経験した。造血幹細 胞移植におけるGRCの使用報告はなく，貴重な症例と 思われたため報告する。