ワークショップ1肝癌の画像診断の進歩と問題点

摘要

我が国における肝細胞癌の治療成績の著しい向上は，優れた肝癌スクリーニング体制，画像診断を駆使し た治療によるところが大きいと考えられる.その中核をなす画像診断の技術革新には目を見張るものがある.2007年にはソナゾィド造影USが， 2008年にはEOB造影MRIが保険適用となり肝癌の診断能が飛 躍的に向上した.さらに画像と病理との対比を通じて肝発癌の分子機構にも迫ろうとしている.肝切除 術，局所治療，TACEにおけるシミュレーション.ナビゲーシヨンシステム，3D . 4D画像など多くの新 たな展開も見られる.しかしながら，これらの画像診断の進歩が，肝癌の治療成績，予後の改善にどれだ け貢献できたかについては未だ十分な議論?検証がなされていない.次々と登場する新技術に対する評価 と問題点についても議論する必要がある.本ワークショップでは，我が国における肝癌画像診断のこれま での進歩とその問題点を議論し，今後の方向性を見極めたい.