腎機能障害を合併する痛風·高尿酸血症症例におけるアロプリノール·ベンズブロマロン併用療法の有用性-オキシプリノール動態の検討から-

摘要

腎磯能障害のある痛風·高尿酸血症において，アロプリノール·ベンズプロマロン併用療法がアロプリノール単独療法に比較して有用であるか否かの検討を行った.対象は，アロプリノール単独またはアロプリノールとベンズプロマロン併用の尿酸降下療法を受けており，血清尿酸値が安定している外来通院中の痛風·高尿酸血症男性症例45例である。 この45例を，尿酸降下療法が単独療法か併用療法か，およびクレアチニンクリアランス（Ccr）の程度により4群（A群：single treatment，normofunction，B群:shlgle treatment,hypofunction，C群:combined treatment，normofunction,D群:combined treatment，hypcfunction）に分割し検討した。 4群間の血清尿酸値には差異を認めなかった。 尿酸クリアランス（CUA），1日尿中尿酸排泄量（UUAV）はC群にぉいて他群に比し有意な高値を示したが，尿酸排泄分画（FEUA）には4群間に差異はみられなかった.アロプリノール使用量はD群においてA群，B群に比較して有意に低下していた。 血清オキシプリノール濃度はC群にぉいてB群と比較して有意に低値を示した。 オキシプリノールクリアランス（Coxypurinol）はC群においてB群，D群に比較して有意に高値であった。 C oxypurinol，Ccr，CUAは相互に密接に相関しており，特にC oxypminolはCUAと強く相関していた。 キサンチン，ヒポキサンチンの血清濃度やクリアランスには4群間に有意差は認められなかった。 腎機能障害のある痛風·高尿酸血症に対するアロプリノール·ベンズブロマロン併用療法はアロプリノール単独療法に比較して，アロプリノール投与量および血清オキシプリノール濃度を減少でき，臨床的有用性が高いと考えられた。