2001年9月11日米国多発テロ事件3カ月後のニューヨーク在住邦人の精神状態第1報:成人の精神状態

摘要

抄録:2001年9月11日米国多発テロ事件は，ワールドトレードセンタービル内での多くの犠牲者を出したのみならず多くのニューヨーク市民に甚大な影響を与えた。 同時に当時ニュ．-ヨーク在住日本人にも大きな影響を及ぼしたものと想像された。 今回，ニュ -ヨーク地区日系の学校に通学する児童の両親を対象に，テロ事件後3カ月の精神的状態についてアンケートおよび改訂版出来事インパクト尺度(IES-R)を用いた調査を行った。316名の母親，278名の父親が回答し，IES-Rではそれぞれ13．3%，8．9%が外傷後ストレス障害を疑わせる高得点を示した。また，直接間接のテロ事件への暴露とIES-R得点との間に相関を認めた。 本調査は多発テロ事件がニューヨーク在住の日本人に重大な心理的な影響を与えたことを示している。