抵抗性地絡電流の検出方法

摘要

低圧電路の絶縁監視は，よく知られているように大きく分けて次の3種類がある。 ①電路の零相電流を検出する（Io型）；②電路に低周波の電圧を注入して，その周波数成分であって注入電圧と同相の電流を検出する（Igr注入型）；③電路の零相電流のうち，電路の電圧と同相の電流成分だけを検出する（Igr改良型）；Io型は零相電流を計測するもので地絡監視の基本とされている。 しかし，電子機器をサージ電圧から保護するためにラインフィルタ等が電路に設置される場合があり対地静電容量が大きくなる関係から，Io型では感度の良い絶縁監視が困難となってきている。 Igr注入型は注入した低周波電圧に起因する漏えい電流からIgr成分を検出する。現状ではIgr型の主流となっている。 今回紹介する検出方法は前記の(3)に属し，検出方法を改良してハードウエアと演算処理の簡素化を実現した。 この監視方法は，今まで普及を困難としていた技術的課題を解決し，Igr注入型と比較して設置又は撤去の工事が容易になるほか，検出特性に数々の改善がみられる。なお，この技術については特許（第3405407号）を取得している。