2次電池の充電用として定電流安定性を改善したデジタル制御スイッチシグ電源

摘要

本論文では，まず，従来の電圧·電流制御電源を定電流動作させたとき，実験結果から定電流特性の劣化問題とその原因を示し，本論文が適用している比較的安価で低速度のRISCマイコンでは問題対策が困難であることを示す。 次に，この間緩点を改良した回路として，電流検出抵抗をキャリヤリプル電流が流れないフィルタコンデンサの後に移動し，さらにコンデンサを追加した花形フィルタ構成とした電源を提案している。 この回路は3次遅れとなり，出力電圧をフィードバックした定電圧制御では安定できない場合があるが，電圧·電流制御法を適用することにより安定可能であることを理論で示している。 この理論を適用して，実際に実機試験により出力特性を測定して安定性を確認し，定電圧·定電流とも高性能2次電池の充電に適用できる高性能電源を得ることが可能であり，充分実用的であることを示している。