OFDM変調マルチパス環境下における遅延波分布を考慮したタイミング同期方式の検討

摘要

本稿では，OFDM変調を用いたマルチパスフェージング環境下におけるシンボルタイミング検出方式を提案している．提案法は既知信号を用いて相関を検出し，その結果のピーク位置からシンボルタイミングを得る従来方式に加え，ピーク位置だけでなく遅延波分布幅まで検出してシンボルタイミングを検出する2方式を受信信号レベルに応じて自動的に切り替える．計算機シミュレーションによりBER特性を評価した結果，受信信号レベルが低い範囲ではピーク位置のみから，また，受信信号レベルが高い範囲ではピーク位置と遅延波分布幅の両方からシンボルタイミングを決定する本方式の有効性を明らかにした．