吸収式冷温水機の周辺設備設計マニュアル(2)：吸収冷温水機のフロンによる2次側熱搬送技術

摘要

業務用ビルにおける空調方式は、セントラル空調方式と個別空調方式に大別される。 前者は室外機（熱源機）に吸収冷温水機等が用いられ、エアハンドリングユニッ(AHU)やファンコイルユニット(FCU)の室内機まで冷温水で熱搬送することで空調するシステムである。 後者は室外機（熱源機）にガスエンジンヒートポンプ(GHP)等が用いられ、各部屋の室内機まではフロン(HFC)で熱搬送することで空調するシステムである。 前者の特長として、室外機を集約して地下等の機械室又は屋上に設置でき、フロンを用いた個別空調方式と比較して室外機の設置スペースの省スペース化が図れる。一方、後者の特長として、部屋ごとに空調ができること等がある。 本システムの利点を以下に示す。 ·システムをフロア毎にしたため、既設ビル内の工事に柔軟に対応可能となり、リニューアルに向いている。 ·熱源機が集約できるため、設置スペースの削減が可能になる。 ·熱搬送の一部に水を用いるため、従来の個別空調方式よりフロン充填量削減が可能である。 ·冷温水搬送とフロン搬送の混在が可能であり、お客様のニーズに応じて選択できる。 本稿では本システムの開発の進捗状況について報告する。