第2回 欧米最新水素エネルギー研究開発調査報告：（その5－米国水素社会への移行戦略）

摘要

2003年9月9日、ワシントンDCの米国エネルギー省を訪問した。 これは、イラク攻撃を控えた今年の1月28日にブッシュ大統領が年頭教書で発表した、日欧を凌駕し、世界の水素エネルギーでの覇者となることを目指す"FreedomCAR ＆ Fuel Initiative"の背景はどのようなもので、そしてその後の展開はどうなったかを見聞するためであった。 関係先のアポイントの取得は、筆者の友人であるデンバーにあるエネルギー省·再生可能エネルギー研究所の水素関連の規準／標準の主任研究員である日系3世のDr． Jim Ohiの配慮によるものであった。 限られた時間であったので、1時間半ほどずつ、まずFreedomCAR ＆ vehicle Technologies事務所の上級顧問の日系女史のDr．P．G．Yoshida（写真 1）を、引き続き水素·燃料電池およびインフラ担当のDr．S．GronichとDr．N．L．Garland女史、水素および燃料電池マネジャーのDr．J．Milliken女史、水素生産マネジャーのMr．P．Devlin等（写真2）を訪問し、彼等の親切なプレゼンを受けた。 本稿は、この折の情報とさらに別途入手した各種資料から最新の米国水素開発事情を報告するものである。