0.5mm角の超小型太陽電池の開発

摘要

筆者の所属機関でも、図1の概念図に示されるような、センサやアクチュエータを含むメカニズムと知能·情報処理を司るメモリ、RF回路、制御処理回路といったエレクトロニクスなどあらゆる電気的·機械的機能をマイクロ·ナノスケールの微小な1チップ上に集積化させた高機能なマイクロデバイスの研究開発が行われている。 これはMEMSとシステムLSIの融合であり、数ミリ角のチップが工場と同じ機能をもつようなものである。 その応用範囲は、情報通信分野、医療分野、生命科学分野、移動体制御分野、環境分野など広範囲におよび、新産業創出に大いに貢献できると考えられる。 これらの駆動電源として太陽電池を用いることは、光照射によるワイヤレス動作が可能となり、ユビキタスネットワーク社会に順応したデバイスの実現といった観点から意義深い。 本稿では、マイクロマシン用電源としての太陽電池の特徴について述べた後、実際の超小型太陽電池の作製方法、光強度に対する出力変化、0.5mm角の超小型集積太陽電池の試作と動作解析結果について我々の実験結果を基に紹介する。