DyフリーNd{sub}2Fe{sub}14B系焼結磁石の磁化反転における着磁可能な多磁区粒子の役割

摘要

本研究グループでは保磁力発現に関してアニール条件を制御した試料と結晶粒径を制御した試料を用いて検討を行ってきた。 その際、アニール条件を最適条件からずらした試料の保磁力は最適化してある試料に比べ明らかに減少した。 また、結晶粒径を制御した試料では、粒径が微細化するにつれ、単磁区粒子(SDG)の体積分率が増加し、保磁力が上昇するという結論が得られた。 そこで、前回までに検討した試料で、それぞれの試料群で高い保磁力を示した500c（焼結後773Kで、1時間アニール）と2u（出発粉体粒径2μm，焼結体平均結晶粒径3.1μm、アニールは最適条件下）の2試料について、減磁曲線にステップ法を適用し、保磁力発現機構の詳細の検討を行った。