宇宙からの水産資源探査と漁獲可能量予測による水産総合システムの構想－海洋水産GIS開発による漁獲可能量TACの推定と漁船漁業の長期ビジョン

摘要

日本の漁船漁業は太平洋戦争終了後の我が国の食糧事情を踏まえて、その発展期において、漁業能力の増大を主目的とする漁業技術の導入によって短期大童収穫型の漁業生産体系を構築し、生産性の向上を図ってきた。しかし、その後200海里経済水域体制への移行にともなって海外漁場の喪失と漁獲量の減少、さらにそれに伴って魚価の低落や漁業労働者の減少と高齢化、並びに漁船建造船価の高騰が相次ぎ、漁船漁業の経営は極めて厳しい状況になってきている事は、周知のとおりである。 この状況が進行すれば間違いなく日本の水産食糧の最も重要な供給源である漁船漁業は衰退を続け、近い将来その使命が果たせなくなる可能性が高いと言える。