遮熱コーティング皮膜の1173K；硫黄分圧10~（0.65）Paにおける硫化腐食挙動

摘要

Ni基耐熱合金にAPS-VPSで作成したYSZ（ZrO_2－8mol％Y_2O_3）／CoNiCrAIY皮膜について，1173K，H_2S－H_2（硫黄分圧10~(-0.65)Pa）における硫化腐食挙動を調査した。得られた結果は次のように要約される。 （1）硫化物は，YSZトップコート表層に網目状に形成し，Ⅹ緑回折とEPMAによる元素分析から，Zr3Y4．1S_(3.5)O_(9.4)が同定された。 Zr_3Y_(4.1)S)(3.5)O_(9.4)はZr_3Y_4O_(12)と同じ結晶構造を有し，硫黄と酸素の置換により，C-軸が膨張し，a-軸が収縮している。 （2）クロム硫化物は，YSZとCoNiCrAIYのAl－rich酸化物層を介して，両側に形成し，硫黄はYSZおよびAl-rich酸化物層中の欠陥（亀裂，空隙）をガス体として移動すると考えられる。