変厚鋼板を梁フランジに用いた梁端溶接接合部の塑性変形能力と破断防止設計法

摘要

鋼構造ラーメンにおける柱梁尋妾合部の早期破断を防ぐため様々な研究が行われ，工場溶接形式ではノンスカラップ工法が高い変形能力を示すことが明らかにされている．しかし，現場溶接形式ではスカラップ工法としなければならないが，スカラップ底に応力集中が発生し，そこを起点に早期に亀裂が発生して破断に至る可能性がある．そこで，梁端溶接部近傍に作用する応力を低減し，塑性変形性能を向上させる方法として拡幅形式やRBS形式が提案されている．いずれの方法も梁端溶接部から離れた位置に梁が最小の断面となる部分を設け，そこで塑性化を進展させることにより，スカラップ底などからの破断を防ぐことを目的としている．