平板反射鏡と組み合わせた多重効用型太陽熱蒸留器の性能解析

摘要

太陽熱を利用した海水淡水化蒸留器は、発展途上国において、持続的に利用可能な小型分散型の淡水供給手段としての利用が期待されている。 太陽熱蒸留器は、単効用型および多重効用型の二つに大別することができる。 単効用型は、太陽エネルギーを蒸留器内部で一度だけ利用するものであり、一般的に蒸留器の構造が単純であり、製作が簡単であるという利点があるが、反面、その蒸留性能には限界があり、蒸留量は最大でも5k/gm{sup}2day程度しか得られないため、蒸留量を増加させるためには広い敷地面積を必要とする。 一方、多重効用型は、水蒸気が凝縮する際に放出する潜熱を再利用して、海水の蒸発·凝縮の過程を蒸留器内部で複数回繰り返す構造をしており、単効用型と比較すると蒸留器の構造がやや複雑になるが、蒸留性能は単効用型の数倍になる。