中小企業の海外販路開拓の現状と課題

摘要

近年、海外市場への販路開拓を真剣に考える中小企業が増えている。海外には大きな欧米市場に加え、特に世界金融危機後は急速な発展を遂げている新興国市場がある。日本の市場が成熟している中で、これまで海外展開の主役であった大企業だけではなく、中小企業も直接海外市場に展開しなければ大きな発展の展望を描けなくなっているからである。今回の東日本大震災によって示されたように日本の中小製造業には、世界的な競争力があるオンリーワン技術を持っている企業が多い。また、「クール·ジャパン」といわれるように、日本食、ファッションやデザイン、伝統的工芸品など日本の商品やサービスの魅力が国際的に高く評価されるようになり、流通や外食などこれまで海外市場に関わりの薄かった産業も積極的に海外展開を目指し始めている。