平成17年度第2回地震防災研究会

摘要

凌氏の講演では，2004年新潟県中越地震の際に，強震動によって上越新幹線が脱線を起こした橋脚付近（滝谷トンネル出口付近）を中心に地下構造（S波速度構造）調査を行った結果ついての報告であった。調査には，表面波探査と微動アレイ探査が実施され，前者は，新幹線橋脚脇の道路に沿った測線で仁後者は，橋脚近傍で3地点実施された。 表面波探査には，24チャンネルのセンサー，1台のロガー（Sl汽rS），かけやによる振動源が用いられた。解析には，収録した波形からF－K法によって分散曲線を算出し,その結果を用いて，GAを用いて逆解析を行っていた。 その際に，擬似S波速度（Vx）という値を導入して，地下構造推定に役立てることを提案していた。 このVxは,物理自勺な背景にやや難しい面もあるということであったが，導出が容易であることが最大のメリットで，Vx，Vs，Vr（レイリー波速度）3者の結果の比較によると，Vxは，逆転層の存在がVrよりも明瞭に表すことができるとしていた。 また，一方，微動アレイ探査については，7台のセンサーとロガーによる測定，およびF-K解析，GAによる逆解析を行っていた。 こうした観測と解析によって，対象地点間辺での表層構造と深部構造を推定していた。 こうした内容の後に，中国での微動探査事例が示され，日本とは状況が異なり，表層地盤といってもVs500m／S以上であると報告された。