黄砂観測手法とその成果例

摘要

黄砂問題に対する視点は、発生源を抱える中国やモンゴルと遠方飛来地域である韓国や日本とはおのずと異なる。 発生源地域では、砂漠化防止対策や農業活動に代表される生活基盤の被害の克服に力点が置かれる。 遠方の黄砂飛来地域では、社会生活全般への影響のほか温暖化等地球規模の視点から見た環境影響に力点が置かれる。 黄砂の発生回数や規模の削減対策も中長期的に見れば重要であるが、発生予測や発生後の飛来予測の精度を上げることが北東アジア地域の短期的環境戦略として最も重要であろう。本報告では、今用いられている黄砂モニタリングやサンプリングの手法の紹介とそれによって得られる環境科学的成果の例を紹介したい。