ワイヤ放電加工における超硬電食の防止

摘要

水を用いたワイヤ放電加工では，直流電源を用いると超硬合金のバインダであるコバルトが腐食し溶出するため表面がもろくなる．この対策として最近の加工機は交流電源を装備しており，加工中（AC加工と呼ぶ）の平均加工電圧を0ボルトにすることにより，超硬の腐食防止のみならず，チタン表面の変色防止なども可能となった．しかしながら，交流電源を用いても，超硬合金を長時間水中に放置した場合に結合材のコバルトが溶出して表面が脆くなる．ここではこの水中放置による超硬合金の腐食とその防止方法について検討した．