ハウス環境制御分野における課題と取組み

摘要

ハウス環境制御部会は、ハウスフレーム、被覆資材、各種環境制御機器、環境制御システムなど、施設の気象環境制御技術について一体的に検討する目的で設置された。 図－1は、2000年に設置された約1haのトマト大規模温室の建設コストの内訳例である。 電気工事を除いても、温室本体を含めた気象環境制御関連だけで施設建設コストの67％を占めていた。 つまり、これらハードウェアの低コスト化を図れば、施設償却費の低減に結びつき、経営面での成功に結びつく。 一方で、トマトの生産において、限定的にしかこれまで使用されていなかった、夏季の高温抑制、冬季の暖房、保温能力の向上、寡日照期の補光、不足CO_2の補給など、生産物の収量、品質を気象環境面からフォローアップする設備、システムの導入標準化も、目標達成のために期待されている。 さらに、ランニングコスト低減のための、熱源、電源の選択、省エネルギー技術の選択も含まれる。 そして、これらの気象環境と地下部環境を総合的にコントロールするための環境制御システムも検討の範疇である。